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会長挨拶

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【新会長挨拶】
 
 
 
               日本信頼性学会長就任のごあいさつ

 先般行われた日本信頼性学会総会において、本会会長の要職を拝命いたしました。日本信頼性技術者協会発足から丁度40周年を迎える記念すべき年に学会長として就任いたしましたことは、偶然とは言え、何かしら因縁めいたものを感じております。改めまして、伝統ある日本信頼性学会の舵取りを務める責務の重さを痛感致しますと共に、本会の発展のために堅忍不抜の精神を貫いてまいりますので、会員の皆さまのご指導とご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

  金川信康前会長をはじめ歴代会長の掲げられた目標として「信頼性・安全性の普及啓蒙」、「研究会の充実と外部への成果発信」、「正会員数・賛助会員数の増強」、「財政の健全化」があります。財政の健全化については、関係諸氏のご努力により学会誌の電子化が始まり、印刷費や郵送費の大幅な削減がなされましたが、会員数並びに会費納入率の伸び悩みにより、抜本的な収益体質の改善にはまだほど遠い状況にあります。会員数増強の問題は本会が構造的に抱える課題であり、中長期的な対策を講じる必要があると考えています。学生会員や企業における若手技術者の会員数が極端に少ない現状を鑑みれば、対処療法的な取組も必要ではないかと思っています。

  研究会の充実について、企業の実務家を中心に数十名規模で活発な活動を行っている研究会がある一方で、少人数でも重要なテーマについて継続的かつ地道に討論を行っている研究会もあります。どちらも本会の対象とする信頼性・安全性技術の進展には不可欠な活動であることには変わりありませんが、学会における財産とも言うべき各種研究会への支援の機会をこれまで以上に増やす必要があると考えています。例えば、活発な研究会活動をさらに強化するためにインセンティブを付与する仕組みや、研究会の発展的なスクラップ・アンド・ビルドに関する仕組みの導入などが考えられるかもしれません。

  信頼性学会の研究会活動やシンポジウムでの講演を拝見していると、産業界で実際に直面している課題を解決するための固有技術を取扱うものが多く、他の関連学会と比べてもその傾向は顕著であり、むしろ強みであると言えます。半面、大学などのアカデミックサイドに目を向ければ、本会は必ずしも活発な研究成果の発信を行っているとは言えない状況にあり、それはシンポジウムでの発表件数や論文誌に掲載される論文数からも明らかです。この問題も本会が抱える構造的な問題であり、一朝一夕に解決できるものではありません。学術界においてもグローバル化の波は既に到来しており、わが国の多くの学会は世界的な潮流から大きく取り残され、一部は既にガラパゴス化しているという現実があります。研究者の世代交代も含めて、信頼性工学におけるアカデミック・コミュニティの再編が緊急の課題であると考えています。

  以上、学会のネガティブな側面ばかりにふれてまいりましたが、信頼性工学の明るい未来についても大いに語り、そして学会の将来計画に対して積極的に投資を行ってゆく必要があると考えています。Society 5.0 の旗印の下、AI, IoT, ロボティクス, ビッグデータの分野において、官民学が一体となってまさに革新的な取組が行われようとしています。このような技術革新の時期だからこそ、信頼性・安全性の概念や技術もさまざまな局面で見直される可能性が広がり、学問分野における大きなパラダイムシフトが発生することを予感せずにはいられません。欧米では「信頼性工学 (Reliability Engineering)」という用語にはもはや古典的な響きがあり、最近ではむしろ PHM (Prognostics and Health Monitoring) の概念の方が実態に即しているケースが多いと聞いています。

  多くの山積した課題を2年間の学会長在任中にすべて解決できるとは到底思えませんが、信頼性学会の次の10年を見据えた取組を確実に開始し、50周年を迎える時には満開の花を咲かすことができるような中長期計画とその実現について、関係諸氏と議論を行ってゆきたいと考えています。理事会で討論した内容を総務委員会や編集委員会で再検討して頂き、PDCAサイクルを回しながら、少しでも理想に近づくことのできるような学会運営を目指したいと希望しています。信頼性学会会員各位におかれましても、学会運営に関する様々なアイデアや意見を事務局にお寄せ頂き、本会が信頼性・安全性の理論・技術・実務に関して、真の意味でわが国のフラッグシップ学会となれるようご協力をよろしくお願い申しあげる次第です。


                              日本信頼性学会長
                                   土肥 正


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