信頼性 - 日本信頼性学会当学会に関するお問い合わせホーム事務局からのお知らせサイトマップ信頼性 - 日本信頼性学会 -
ホーム  >  会長挨拶

会長挨拶

学会紹介挨拶役員体制計画(PDF)個人情報保護法

【新会長挨拶】
 
 
 
               日本信頼性学会 会長就任にあたって

 日本信頼性学会員の皆様,コロナウィルスが世界を席巻し,ようやく出口が見え始めましたこの頃ですが,恙無くお過ごしでしょうか?私は㈱リコーの門田靖と申します.私が本学会に入会致したのは,日本信頼性技術協会時代の1989年で,協会は専門家だけで構成されたクローズな組織から,オープンな組織に変貌していく過渡期でした.以後あまり積極的な学会員ではありませんでしたが,沢山の信頼性技術者と交流させていただき,その間副会長職及び監事職をそれぞれ2期務めさせていただきました.そしてこの度土肥正会長の後任として,光栄にも日本信頼性学会の次期会長職に選出されました.従いまして,会長職を全力で全うする所存であり,学会諸活動に対しまして,活性化のために色々と議論したいと思っておりますので,学会員の皆様のご協力を宜しくお願い申し上げます.

 学会員の中には,ご存じの方も多いと思いますが,私は歴代の会長をお努め頂いた先生方と異なり,長い間品質・信頼性・安全性の改善及び確保をすることをミッションに持った,いわゆる“現場の信頼性技術者”でありました.具体的には,部品及び実装の信頼性技術に始まり,レーザープリンターに用いられている電子写真作像システム信頼性技術,更に製品及びシステムの製品安全保証を経て,現在は先端デバイスの研究開発に従事しております.その間の主な対象物は,LSIの接合とゲート酸化膜,LD及びパワーデバイス,ワイア・ダイボンディング,半田及びプリント基板と実装技術,高分子表面の劣化反応とナノ分散状態,更にはICの発火・発煙メカニズムの解明等部品・材料を中心に,弊社の品質・信頼性・安全性に関わってきました.これら全テーマの基本ミッションに信頼性物理と故障解析があり,私の最大の専門性である,信頼性物理とその信頼性物理モデル構築のための加速寿命試験計画の立案と故障解析を獲得できました.勿論,その間様々な部品・材料メーカー及び研究機関の技術者・研究者と技術交流だけでなく人間的交流をさせていた抱き感謝いたしております.私が是非会員諸氏にお勧めしたいことは,自分で勉強することも勿論欠かせませんが,積極的に専門家に話しかけて,疑問を投げかけたりして,討論してください.きっと思わぬ発見があり,数分の討論が何時間の勉強に相当することがきっとあります.日本信頼性学会にはそうした専門家が多数いらっしゃいます.

 一方、近年は私の専門性ではない,システムの信頼性に対しても興味をもち始め,実際に研究会等に足を運び,多くの専門家よりご教授いただいております.何故私がシステム信頼性の研究報告に興味を持ったかというと,ある時から信頼性概論の講義を担当する事になり,信頼性黎明期の書籍に目を通したことに端を発します.その書籍に,“信頼性は,保全性を含むシステムの信頼性向上と,部品・材料の故障を物性論から研究へ飛躍した”との内容が在り,その事は今の信頼性工学分野にも当てはまると再認識しました.最近システムの信頼性の専門家から「部品・材料の信頼性物理は全く関心無い。」との発言も聞かれ,逆に部品・材料の信頼性の専門家も同様の発言でした.この様に,現在の信頼性工学領域においても,互いに交流の少ないこの2つの研究分野が存在し,近年ではその間を埋めるようにリスク工学や製品安全工学分野等、第3第4の研究分野が立ち上がっているのが現状と理解しております.信頼性工学はそれらいくつかの研究分野を大きく包含し,実際の各種信頼性向上活動や研究活動と,強固な関連付けが必須で,信頼性工学そのものも時代と共に変るものであると認識してます.

 その中で日本信頼性学会において,前土肥正会長主導で研究会活動の活性・活発化を主眼として,長年に亘り実質的に手付かずであった研究会関連規定を大改訂してまいりました.この流れは学会として更に加速させ,各会員が実際の現場での信頼性活動を活性化できることが,学会の目標の一つであると考えております.さらに研究会活動の活性化に加えて,前述の様にアカデミックな意味で信頼性工学の基本学問体系を検討し,定期的に発信していくことが求められます.既に多くの学会では,当該学問の基本事項に関して常任委員会等にて活発な議論が行われ,その成果は成果報告書,書籍更には標準等として,随時発信され,次世代の研究者・技術者育成に活用されております.残念ながら信頼性工学分野では信頼性技術協会の主要協会員の先輩方の著作による信頼性工学シリーズが出版されて以来,30年以上信頼性の全体体系の検討が充分ではないという認識でおります.そこで,我々信頼性学会としても近将来のIoT時代や自動運転時代等を見据えつつ,あるべき信頼性工学を再検討する動きを開始したいと考えております.勿論この活動にはG会員やR会員を含む多くの学会会員が積極的に参加いただけることを既に期待致しておりますし,それを通じて次世代の信頼性技術者の育成にも,共に積極的に取り組みたいと考えております.


                       日本信頼性学会長
                        門田 靖(㈱リコー イノベーション本部)


top