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信頼性試験研究会

研究会の紹介活動内容

<研究会活動の趣旨>

「数と時間の壁への挑戦」

 機械系や電子系など様々な工業製品が生活の中に氾濫する中で,より長寿命・低故障率を期待される製品もあれば,故障はしていなくても比較的短期間で使用が打ち切られ,より高機能なものへの切替が進められる製品も多くなっている.

 長寿命・低故障率が期待される製品などでは,従来どおりの条件で加速寿命試験を行っていては,必要になる試験時間が膨大なものになり,許される開発工期の中で終了し得ない試験時間を要する場面が多くなっている.また短期間で高機能化が進められる製品では,もともと与えられた開発工期が短くなっているために,従来どおりの条件の加速試験時間すら確保できなくなっている.市場品質に関わる初期故障に至っては,要求される故障率は,限られた数の抜取試料を使った試験で検証できる範囲を超越している.簡単には試料数を多く取って,多くの試験データを一度に採取することが困難になっている.

 さらに深刻な問題は,そのような長寿命,低故障率が必要な市場の要求に対して,従来から規格化され固定された試験条件が未だに適用されている点である.市場の要求品質に対して検証される信頼度は不十分なのだが,規格の試験に合格していることをいいことに,そのまま市場出荷される場面が少なくない.このような状態を放置していて良いものだろうか?

 このような「数と時間」の壁を打破し,市場が求める品質を満足する信頼性を有することの検証を,どのように実現すればいいだろうか.

 当研究会では,発足以来,この「数と時間の壁」を打ち崩す手段を追究し続けている.今までの活動成果は当学会の研究発表会やシンポジウムで紹介しているほか,電子部品を題材とした信頼性試験ガイドラインと言う形で,小冊子にまとめてきた.このガイドラインの内容を,信頼性基礎講座として,会誌に6回に分けて連載させていただく機会もいただいた.また,毎年11月に,関西支部[信頼性フォーラムを開催して,本研究会の検討課題の中から時勢に沿った信頼性問題について,具体的な解決策を討議する場も設けて,最新の信頼性技術の提案と展開の活動を継続している.

<発表履歴>

2001年6月 「信頼性試験研究会活動報告」

2003年5月 「Fussy推論の寿命推定への適用検討」

2004年5月 「効率的・合理的な信頼性試験の検討」

2005年5月 「効率的な初期故障の発生予測」

2007年11月 「電子部品の信頼性試験ガイドラインの作成 -ゼロディフェクト達成を目指して-」

2008年10月 「信頼性試験研究会 活動報告 ~研究会開催50回記念~」

2009年11月 「品質工学を融合した信頼性評価への改善」

2011年6月 「効果的な計量抜取試験の進め方」

<発刊誌>

2009年3月 「電子部品の信頼性試験ガイドライン」 A4:全68ページ
同時発刊「信頼性試験研究会8年の歩み」 A4:全38ページ

2008年5月 「電子部品の信頼性試験ガイド(1)ゼロディフェクト達成を目指して」
当学会誌 : 信頼性 Vol.30(3), pp280-285

2008年5月 「電子部品の信頼性試験ガイド(2)摩耗故障に対する信頼性試験計画(計数抜取試験)」
当学会誌 : 信頼性 Vol.30(5), pp435-440

2008年5月 「電子部品の信頼性試験ガイド(3)摩耗故障に対する信頼性試験計画(計量抜取試験)」
当学会誌 : 信頼性 Vol.30(7), pp624-629

2008年5月 「電子部品の信頼性試験ガイド(4)最適加速試験項目の選択と試験条件」
当学会誌 : 信頼性 Vol.30(8), pp686-691

2008年5月 「電子部品の信頼性試験ガイド(5)初期故障の寿命分布の検証」
当学会誌 : 信頼性 Vol.31(1), pp47-52

2008年5月 「電子部品の信頼性試験ガイド(6)確率紙を使った特性値の分布調査」
当学会誌 : 信頼性 Vol.31(2), pp138-143

 本研究会の主な活動拠点は,大阪市北区堂島浜にある(一財)日科技連大阪事務所の研修室や,中央電気倶楽部という関西の技術交流の活動拠点とも言える場所をお借りして,2ヶ月に1回の検討会を進めています.

 会員個人の研究成果発表の場と言うよりも,共通のテーマに対して会員全員で研究を進める場という位置づけです.その中に,会員独自の考え方や会員相互の議論を織り交ぜて,規格で規定された試験時間や試験条件にとらわず,市場の要求品質に基いた視点での試験方法と結果の解析方法について,部品メーカ側とセットメーカ側の双方が合意できるような提案を検討しています.

 研究会では,その効率的な試験方法の提案に至るまでの過程を利用し,会員の理解,応用力を深める一方,学会あるいは関連業界への普及を目指しています.

<その他>

 この研究会は,現在,18名の会員で2ヶ月に1度の会合を行っております.会員相互間のGive&Takeをモットーにしており,定例の会合は勿論のこと,普段でも会員のつながりを利用し,疑問点の解決を図るなど技術交流も積極的に行っております.また,会合はお互いの企業で開催したり,会合終了後の「飲みニケーション」では信頼性談義で盛り上がったりで,気分転換的な要素も取り入れて,信頼性試験技術に関する人脈つくりの場としても機能しています.

<入会希望者の連絡先>

主査/三菱電機㈱姫路製作所
品質保証部 品質保証推進課 松岡敏成
メールMatsuoka.Toshinari@bp.MitsubishiElectric.co.jp
副主査/エスペック株式会社
開発本部 技術管理部 青木雄一
メールy-aoki@espec.co.jp

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